プリウスのハイブリッドシステムは、燃費の良さと環境へのやさしさで広く認知されていますが、その心臓部であるバッテリーにも注意が必要です。多くのプリウスオーナーがいずれ直面する「プリウスバッテリー交換」について、費用、交換方法、交換時期、さらには特殊なケースとしてのプリウスαやプリウス30系における交換情報まで、幅広く解説します。
ハイブリッドバッテリーと通常のバッテリー交換の違い、交換しない選択肢、バッテリーが上がった際の対処法、さらにはバッテリーサイズの違いによる燃費の影響、ナビシステムへの影響、ディーラーでの交換サービスの有無まで、プリウスオーナーが知りたいあらゆる情報を網羅します。
また、バッテリー交換後のプリウスの性能についても触れ、オーナーが知っておくべきポイントを詳細に説明します。このガイドを通じて、プリウスのバッテリー交換に関する疑問を解消し、車の長寿命化と性能維持を図りましょう。
プリウスのバッテリーの交換時期
プリウスのバッテリーの交換時・の交換が必要かどうかを見極める方法はを紹介します。
- エンジンの始動に時間がかかり始めた
- バッテリーの警告灯が車のダッシュボード上で光っている
- ヘッドライトの光が以前よりも暗くなった感じがする
- ブレーキランプの明るさが落ちた
- 車の内部装置の動きが不安定になってきた
これらの兆候が見られる場合は、バッテリーのチェックを早めに行うことが推奨されます。
プリウスのバッテリーサイズ
プリウスのバッテリーサイズを掲載します。
車種名 | 車両型式 | 標準バッテリー型式 | 寒冷地バッテリー型式 | 備考 |
---|---|---|---|---|
プリウス | NHW20 | S46B24L | S55B24L | ハイブリッドシステム用 |
プリウス | ZVW30 | S55B24L | S55D23L | ハイブリッドシステム用 |
プリウス | ZVW50 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | ハイブリッドシステム用 |
プリウス | ZVW51 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | ハイブリッドシステム用 |
プリウスα | ZVW40 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | ハイブリッドシステム用 |
プリウスα | ZVW41 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | ハイブリッドシステム用 |
プリウスPHV | ZVW52 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | プラグインハイブリッドシステム用 |
プリウスPHV | ZVW55 | S55D23L | Q85D23L/S55D23L | プラグインハイブリッドシステム用 |
プリウスC | DBA-ZVW50 | S46B24L | S55B24L | ハイブリッドシステム用 |
アクア | NHP10 | S46B24L | S55B24L | ハイブリッドシステム用 |
バッテリーのサイズは、車両の仕様やオプション装備によって異なる場合があります。そのため、バッテリー交換の際は、必ず適合するサイズのバッテリーを使用する必要があります。
ここで記載しているバッテリーは、ハイブリッドシステムで使用される駆動用バッテリーに関する情報のみです。車両には別途、補機バッテリー(12Vバッテリー)も搭載されていますので、補機バッテリーについては個別に確認が必要です。
プリウスバッテリー交換費用相場

プリウスのバッテリー交換する場合にかかる、バッテリーの価格や交換費用の相場について
オートバックスでのバッテリーの価格表例
オートバックスで販売されている、バッテリーの価格を表にまとめました。
製品名 | 種類 | 価格(税込) |
AEバッテリー | 標準車用バッテリー | 4,980円~ |
GAIAブロンズ | 充電制御車対応バッテリー | 8,800円~ |
GAIAシルバー | 充電制御車対応バッテリー | 10,800円~ |
GAIAゴールド | 充電制御車・ISS車対応バッテリー | 13,800円~ |
GAIAプラチナ | ISS車対応バッテリー | 16,800円~ |
caosバッテリー | ISS車対応バッテリー | 21,800円~ |
BOSCH製バッテリー | 欧州EN規格バッテリー | 30,800円~ |
BOSCH製バッテリー | ハイブリッド車用補機バッテリー | 33,800円~ |
※ISS=アイドリングストップ
プリウス バッテリー交換費用の実例
プリウスのバッテリーを交換した際の実例を掲載します。
バッテリー種類 | 車種 | 年式 | 交換費用 | 交換場所 | 補足 |
---|---|---|---|---|---|
駆動用バッテリー | プリウス30系 | 2010年 | 18万円 | ディーラー | リビルト品使用 |
駆動用バッテリー | プリウス50系 | 2017年 | 25万円 | 整備工場 | 中古品使用 |
補機バッテリー | プリウス30系 | 2010年 | 3万円 | カー用品店 | 持ち込み |
補機バッテリー | プリウス50系 | 2017年 | 4万円 | ディーラー | 純正品使用 |
ディーラーでのバッテリー交換では、純正の新品バッテリーを使用することができます。一方で、整備工場やカー用品店では、リビルトされたものや中古のバッテリーを使った交換サービスも提供しています。
交換したバッテリーには保証がついていることもあるため、詳細は確認してください。
プリウス バッテリー交換費用 オートバックスやディーラーとの比較
バッテリー交換費用をオートバックスやイエローハット、ディーラーなどで比較してみました。
バッテリーのランクなどにより、10,000円以上費用が変わってくるので注意
バッテリー交換料金比較
業者 | バッテリー本体 | 交換工賃 | 合計 | 持ち込み | 特記事項 |
---|---|---|---|---|---|
オートバックス | 10,000円~ | 3,300円~ | 13,300円~ | 可 | アイドリングストップ車・ハイブリッド車は別途料金 |
イエローハット | 9,800円~ | 3,300円~ | 13,100円~ | 可 | 軽自動車はバッテリー本体が500円引き |
ディーラー | 15,000円~ | 3,000円~ | 18,000円~ | 不可 | 純正バッテリーのみ |
ガソリンスタンド | 12,000円~ | 2,200円~ | 14,200円~ | 可 | 車種によっては別途料金 |
バッテリー交換の料金は、使う車やバッテリーの種類によって違いますので、あくまで参考までにしてください。さらに、バッテリーを新しいものに交換するとき、古いバッテリーの処分料が必要なことがあります。
車の正規ディーラーでは、その車にぴったりの純正バッテリーだけを扱っています。一方、ガソリンスタンドなどでは、車によっては追加の料金がかかることもあるので注意が必要です。
バッテリーを交換するには、前もって予約をする必要がある場合が多いです。交換作業自体は、だいたい30分から1時間ほどで終わります。交換が終わったら、バッテリーがしっかり充電されているかもチェックしましょう。
バッテリーを安く交換する方法

プリウスのバッテリー交換費用が高いと思う方もいるので、安く交換するための方法を紹介します。
バッテリー交換を安く済ませる際のポイント
- バッテリーのタイプや車種によってコストは変わるため、前もって確認が必要
- 工賃は店舗によって差がある
- 全ての店舗が持ち込みに対応しているわけではない
- 割引キャンペーンを利用する際は詳細をよくチェックする
- 中古バッテリーを選ぶ際は、状態をしっかり確認する
自分でバッテリーを交換する
自分でバッテリーを交換する方法になります。
必要な道具:レンチとドライバー
かかる時間:約30分から1時間
コスト:バッテリーの価格のみ
メリット:費用を大幅に節約でき、自分のタイミングで作業可能
デメリット:必要な工具が必要で、一定の車に関する知識が求められる。作業に自信のない方は避けた方が良い
オンラインで購入したバッテリーを持ち込んで交換してもらう
オンラインで購入したバッテリーを持ち込んで交換してもらう方法になります。
コスト:バッテリー代と持ち込み工賃
メリット:店頭購入よりもバッテリーが安く、工賃も比較的リーズナブル
デメリット:バッテリーを持ち込む手間があり、持ち込み非対応の店舗も存在
ディーラーやカー用品店の割引キャンペーンを利用する
ディーラーやカー用品店の割引キャンペーンを利用する方法になります。
コスト:キャンペーンによって異なる
メリット:定価よりもお得にサービスを受けられ、工賃が含まれていることも多い
デメリット:キャンペーンは期間限定で、予約が必要な場合もある
中古バッテリーの利用
中古バッテリーの利用してバッテリーを交換する方法になります。
コスト:中古バッテリー代と工賃
メリット:新品に比べて安価で、良質な中古品なら性能も十分
デメリット:新品より寿命が短く、保証の有無が不確か
プリウスにオススメのバッテリーを紹介
プリウスにオススメの通販バッテリーを紹介
実際にプリウスのバッテリーを自分で交換する方法
バッテリーを通販などで安く購入して、自分で交換する方法になります。バッテリーは店舗で購入するより、2~3割安い場合が多々あるので、経験者なら自分で変えるのは、オススメになります。
※電気自動車・ハイブリッド車は注意です。
準備するもの
- 自分の車に合った新品のバッテリー
- 10mmの六角レンチやスパナ(ほとんどの車で10mmが使用されている)
- メモリーバックアップ用の補助電源
- 絶縁手袋、保護メガネなどの安全装備
交換手順
- エンジンを止め、キーを抜く
- メモリーバックアップ用の補助電源を接続する
- マイナス端子からケーブルを外す
- プラス端子からケーブルを外す
- 固定金具を外して古いバッテリーを取り外す
- 新しいバッテリーを置き、固定金具で固定する
- プラス端子にケーブルを取り付ける
- マイナス端子にケーブルを取り付ける
交換時は端子を外す順番と取り付ける順番が大切です。マイナス→プラスの順で外し、プラス→マイナスの順で取り付けます。
車のバッテリー交換 メモリーバックアップ
プリウスのバッテリー交換する場合のメモリーバックアップについて
プリウスバッテリー交換メモリーバックアップする場合の料金
カーショップやディーラー、車の整備工場でバッテリー交換する場合には基本料金に含まれています。
プリウスバッテリー交換におすすめのメモリーバックアップ商品
自分でバッテリー交換する場合には、メモリーバックアップするための器具を1,000円~2,000円で購入することができます。
プリウスバッテリー交換におすすめのメモリーバックアップ動画
バッテリー交換する際に参考になる、車のメモリーバックアップするための方法動画を紹介します。
プリウス バッテリー交換の注意点
特にプリウスのバッテリー交換を自分でする際には、注意が必要になります。
バッテリー交換の際にリセットが必要な場合も
一部のアイドリングストップ車などはバッテリーの交換の際にリセットする必要があります。
バッテリー交換後のリセットが必要な車種として、トヨタのアルファードやヴィッツ、日産のノートやセレナ、ホンダのNBOXやステップワゴン、マツダのデミオやCX5など色々な車種で必要になっています。
アイドリングストップシステム装備車のバッテリ交換後はバッテリ電流積算値などをリセットしないとアイドリングストップシステムが正常に
https://www.toolplanet.jp/wp-content/uploads/2020/02/battery-reset.pdf
作動しない場合があります。
診断機を使用してリセットを行うメーカーと車両側の車上操作でリセットを行うメーカーがあります。
端子の外し方・取り付け方や固定
マイナス側から外し、プラス側から取り付け、プラス端子とマイナス端子が接触しないよう注意するのと、固定が甘いと走行中にバッテリーが動き、ショートや火災の原因になるため、しっかりと固定する。
バッテリー交換作業をする際には注意事項を確認しましょう。
Q&A
プリウス バッテリー交換する際のQ&Aについて
- プリウスのバッテリーは寿命 何年もつの?
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プリウスのハイブリッドバッテリー(トラクションバッテリー)の寿命は、一般的に5年から10年程度と言われています。ただし、走行距離や運転方法、気候条件などによっても寿命は変わってきます。メーカーの目安は10年または16万kmですが、適切な取り扱いと管理を行えば、それ以上の長期間使用できる可能性があります。
- プリウスでバッテリーが残りわずかですと表示されたらどうすればいいですか?
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プリウスでバッテリー残量が少なくなると警告灯が点灯します。この場合は、できるだけ早くトヨタ販売店でバッテリーの点検を受けることが重要です。バッテリーの劣化が進行すると、ハイブリッドシステムが作動しなくなる可能性があります。点検の結果、バッテリー交換が必要と判断された場合は、交換を行う必要があります。
- プリウスのバッテリー交換でバックアップをしないとどうなる?
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プリウスのバッテリー交換時にバックアップ作業(各種設定値の保存)を行わないと、バッテリー交換後に車両の各種設定がリセットされてしまいます。ナビゲーションシステムの設定、オーディオ設定、ドアミラーメモリー位置など、お客様が設定したカスタマイズ内容がすべて初期化されます。バックアップを行えば、これらの設定値を保持できます
- プリウスのバッテリーは無償交換できますか?
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プリウスのハイブリッドバッテリー(トラクションバッテリー)は、メーカーが設定した一定の条件を満たせば無償で交換できる場合があります。トヨタでは、ハイブリッドバッテリーに10年間または16万km(最初に来たほう)の補償期間を設けています。この期間内で、バッテリーの劣化が一定の基準を下回った場合は無償交換の対象となります。ただし、過度の放電や液漏れ、外的要因による損傷など、お客様の過失による場合は有償での交換となります。また、補償期間を過ぎた場合も有償交換が必要になります。